なにか、怖いイメージを持ちました。(管理人)

山陽新聞岡山医療ガイド 4月5日(金)10時39分配信  より

 日本人が中国に渡航し、臓器移植を受ける「移植ツーリズム」に関して、国内初の調査を行っている岡山大大学院医歯薬学総合研究科の粟屋剛教授(生命倫理学)が中間報告をまとめた。回答のあった患者15人のうち大半が「後ろめたくない」と回答。5人はドナー(臓器提供者)が死刑囚と説明を受けるなどしていたことが分かった。

中国での臓器移植、大半「後ろめたくない」 岡山大・粟屋教授調査

粟屋剛教授


 粟屋教授によると、「移植ツーリズム」は先進国の富裕層が発展途上国などに渡り、移植を受けること。患者は日本でも中国でも法律には触れないが、臓器売買につながりやすいといった指摘もある。一方、中国では提供に同意していない死刑囚がドナーだったケースもあり、国際的な批判を受けている。

 調査は、問題点を明らかにしようと、患者100人を対象に2011年度から国の補助事業として実施。匿名で35の設問に答えてもらう。これまでに1989~2008年に中国の病院で腎臓や肝臓を移植した50代以上の15人から回答を得た。

 「中国で移植を受けることを後ろめたく思ったか」との質問には13人が「思わなかった」と回答。理由は「治療費を払ったから」(4人)が多かった。一方、「病院からドナーが死刑囚との説明があったか」との問いには2人が「あった」とし、「ほのめかされた」と3人が答えた。

 粟屋教授は「中国ではドナーの9割以上が死刑囚とみられるが、割合は年々減っている。理由は健常者が提供する臓器売買の増加などが考えられる」と推測する。13年度中には結果をまとめることにしており、「調査を進め、死刑囚の人権を含めた倫理的、法的な問題点を浮き彫りにしたい」と話している。